EPIgasが2026年5月に発売した第4世代バックパッカーストーブ「BPS-IV STOVE」は、初代モデルから受け継がれたシンプルな構造と日本製ならではの精密さを両立させた注目のシングルバーナーです。最大出力3,400kcal、チタン製収納缶にすべてのパーツが収まる設計は、ソロキャンプや登山で「1g でも軽くしたい」というニーズに応えてくれます。
- BPS-IV STOVEの主要スペックと特徴
- 旧モデル(BPS-III)やREVO-3700との違い
- クリスタル加工チタン収納缶の実力
- マイクロアジャスト機構によるとろ火調理のコツ
- 使用シーン別のおすすめストーブの選び方
EPIgas BPS-IV STOVEの基本スペックと進化ポイント
BPS-IV STOVEは、EPIgasが1985年に発売した初代「BACK PAKKER STOVE」の第4世代にあたるモデルです。「器具なしで分解・組立ができる」というコンセプトは初代から一貫しており、分解したパーツはチタン製収納缶内にすべて収納できます。収納缶はそのままクッカーとして使え、蓋は風防として機能するため、調理器具を別途持ち歩く必要がありません。
| 項目 | BPS-IV STOVE(第4世代) | BPS-III STOVE(第3世代) |
|---|---|---|
| 最大出力 | 3,400kcal(230Rカートリッジ) | 3,200kcal(230Rカートリッジ) |
| 収納缶素材 | チタン(クリスタル加工) | チタン(通常仕上げ) |
| 付属品 | ピンチリフター2.0(チタン製) | ピンチリフター(ステンレス製) |
| マイクロアジャスト | 搭載 | 搭載 |
| 製造 | 日本製 | 日本製 |
| 参考価格 | 約9,800円(税込) | 約7,480円(税込) |
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第3世代からの主な進化は3点あります。出力が200kcalアップして3,400kcalに到達したこと、収納缶のチタン表面にクリスタル加工が施されたこと、付属のピンチリフターがチタン製の2.0にアップグレードされたこと。いずれも「軽量化」と「現場での使いやすさ」に直結する改良です。
クリスタル加工チタン収納缶の実力

BPS-IV最大の目玉とされるクリスタル加工は、チタン表面に特殊な熱処理を施して明るいシルバーに発色させる技術です。見た目の美しさだけでなく、実用面でも大きなメリットがあります。
強度向上と汚れにくさ
クリスタル加工によって表面硬度が向上し、通常のチタンよりも傷がつきにくくなっています。登山中のザック内で他のギアとぶつかっても、目立つ傷が残りにくいのはありがたいポイント。水垢がつきにくくなる効果もあるため、キャンプ場の水場でサッと洗うだけで清潔を保てます。
クッカーとしての使い勝手
収納缶の容量は約350mlで、ソロキャンプのカップ麺やインスタントコーヒー1杯分の湯沸かしにちょうどよいサイズ。蓋を風防として使う際は、ストーブ本体を囲むように立てるだけで風による火力低下を防げます。実際に風速3〜4m/秒程度の山頂付近でも、風防なしと比べて湯沸かし時間が約30%短縮されるという声もあります。
EPIgas REVO-3700との使い分け

EPIgasのラインナップで比較対象になりやすいのが、同ブランドの高出力モデル「REVO-3700」です。それぞれの長所と使い分けを整理してみましょう。
| 比較項目 | BPS-IV STOVE | REVO-3700 STOVE |
|---|---|---|
| 最大出力 | 3,400kcal | 4,200kcal(230P+使用時) |
| 重量 | 約195g(収納缶込み推定) | 約111g(本体のみ) |
| 収納缶 | 付属(クッカー兼用) | なし(スタッフサック付属) |
| マイクロアジャスト | 搭載 | 非搭載 |
| 参考価格 | 約9,800円 | 約9,500円 |
| 得意な場面 | ソロ登山・ULキャンプ | グループ・素早い湯沸かし |
ソロ登山・UL志向ならBPS-IV
BPS-IVの強みは「ストーブ+クッカー+風防+リフター」が1セットにまとまる完結性にあります。別途クッカーを持つ必要がないため、トータルの携行重量はREVO-3700にクッカーを足した場合より軽くなるケースがほとんど。テント泊縦走やファストパッキングで荷物を極限まで削りたい場面に向いています。
グループ調理・湯沸かし速度重視ならREVO-3700
REVO-3700は230P+カートリッジ使用時に最大4,200kcalを叩き出すハイパワーモデルです。1Lの水を約3分で沸騰させられるため、2〜3人分のコーヒーや食事の準備をスピーディにこなせます。ゴトク径が広く安定性も高いため、大型クッカーとの相性が良好。ただしマイクロアジャスト機構がないため、とろ火での煮込み調理はBPS-IVに分があります。
マイクロアジャスト機構の活用テクニック

BPS-IVに搭載されているマイクロアジャスト機構は、バルブの微調整で極小のとろ火まで火力を落とせる仕組みです。一般的なシングルバーナーでは難しい「弱火で5分煮込む」といった繊細な火力制御を山の上で実現できます。
とろ火調理のコツ
レトルトカレーの温めやアルファ米の蒸らしでは、沸騰直前の温度(約90度)を維持するのが理想です。マイクロアジャストを「点火できるギリギリの位置」まで絞ると、チタン缶内の水温を80〜90度にキープしやすくなります。現地では風防(蓋)を必ず併用し、風で火が消えないよう注意してください。
ガス消費量を抑える運用方法
とろ火運用時のガス消費量は最大火力時の約1/3程度まで下がるため、110gカートリッジ1本で3〜4食分の調理をまかなえる計算です。1泊2日のソロ登山なら110gカートリッジ1本で十分。2泊3日の縦走でも230gカートリッジ1本あれば余裕を持てるでしょう。
購入前に知っておきたい注意点とデメリット

ゴトクの安定性
BPS-IVのゴトクは堅牢な設計ですが、構造上、大型クッカー(直径18cm以上)を載せると安定性がやや落ちる傾向があります。ソロ用の小型クッカー(直径10〜14cm)であれば問題ありませんが、2〜3人用の大鍋を使いたい場合はREVO-3700やプリムス P-153などゴトク径の広いモデルを検討した方がよいかもしれません。
価格帯の妥当性
約9,800円という価格は、シングルバーナー単体としてはやや高め。しかし収納缶(クッカー兼用)・風防・チタン製リフターが付属することを考えると、別途クッカーとリフターを購入する費用を差し引けばコストパフォーマンスは悪くありません。スノーピーク ギガパワーストーブ 地(約6,380円)+チタンマグ(約3,000円前後)の組み合わせとほぼ同等の出費で、ワンセット完結型が手に入ります。
チタン缶の容量制限
収納缶の容量は約350mlのため、2人分以上の湯沸かしや汁物調理には足りません。あくまで「ソロ専用」と割り切って使うのがBPS-IVの正しいポジショニングです。デュオキャンプ以上では別途クッカーを持参する必要があるため、BPS-IVの完結性メリットは薄れます。
よくある質問

Q. BPS-IV STOVEはOD缶専用ですか?CB缶は使えますか?
A. BPS-IV STOVEはOD缶(アウトドア缶)専用の直結型ストーブです。CB缶(カセットボンベ)は規格が異なるため使用できません。EPIgas純正の230Rカートリッジや230P+カートリッジが推奨されています。
Q. チタン収納缶で直接調理しても問題ありませんか?
A. 問題ありません。クリスタル加工チタンは耐熱性があり、湯沸かしや簡単な加熱調理に対応しています。ただし焦げ付きやすい炒め物や油を多く使う調理は避けた方がよいでしょう。汁物やお湯を沸かす用途に適しています。
Q. クリスタル加工は経年変化しますか?
A. 熱処理による表面加工のため、塗装のように剥がれることはありません。使い込むほどにチタン特有の焼き色が加わり、味わいが増していきます。ただし研磨剤入りのスポンジで強くこすると加工面が荒れる恐れがあるため、柔らかいスポンジでの洗浄をおすすめします。
Q. ピンチリフター2.0は他のクッカーにも使えますか?
A. チタン製の超小型リフターなので、EPIgas以外のクッカーでもフチの厚みが合えば使用可能です。ただし大型クッカーでは挟む力が不足する場合があるため、あくまでソロ用小型クッカーの取り扱いに適しています。
Q. BPS-IVとプリムス P-153はどちらがおすすめですか?
A. 使い方で分かれます。クッカー一体型で荷物を最小化したいソロ登山者にはBPS-IVが適しており、大型クッカーでの調理やグループ使用を重視するならP-153(最大3,600kcal・ゴトク径大)の方が使い勝手がよいでしょう。マイクロアジャストによるとろ火調理はBPS-IV独自の強みです。
Q. 寒冷地(氷点下)でも使えますか?
A. OD缶の特性上、気温0度以下ではガスの気化効率が落ちて火力が低下します。EPIgasの230P+カートリッジ(プロパン混合)を使えば寒冷地での着火性能が改善されますが、-10度以下ではカートリッジを体温で温めてから使用するなどの工夫が必要です。
Q. メンテナンスや部品交換はできますか?
A. EPIgasの日本代理店(ユニバーサルトレーディング)でメンテナンスや部品交換に対応しています。バルブのOリングやゴトクの交換部品も取り寄せ可能なので、長期間使い続けることが可能です。日本製ならではのアフターサポートの手厚さは安心材料のひとつでしょう。
自分のスタイルに合ったストーブを選ぼう

EPIgas BPS-IV STOVE(約9,800円)は、ストーブ・クッカー・風防・リフターがワンセットに収まる完結型設計で、ソロ登山やULキャンプの軽量化に貢献してくれるモデルです。マイクロアジャスト機構による繊細な火力制御は、山での調理を楽しみたい人にとって大きな魅力になるでしょう。
一方、グループ調理や素早い湯沸かしを重視するならREVO-3700(約9,500円)が適任。クリスタル加工チタンの質感や日本製の信頼性にこだわるなら、BPS-IVは長く愛用できる1台になるはずです。次の山行やキャンプの計画に合わせて、最適なストーブを選んでみてください。
